石川由美子税理士事務所のblog

ここは大阪守口市の税理士事務所、石川税理士事務所のブログです。税法の改正や新しい制度などを詳しく解説しています。

2015年10月

大阪府と府内市町村がオール大阪共同アピールを採択し平成30年度(2018年)から、特別徴収が徹底されることとなりました。
今回の更新では大阪府がなぜ個人住民税の特別徴収を徹底するのか、そもそも特別徴収とはなんなのかを解説していきたいと思います。



平成30年度(2018年)から、個人住民税(個人市民税・府民税)について、安定した財源の確保と納税者の利便性の向上を図るために、所得税の源泉徴収と同様、府内市町村が、原則として給与支払者である事業主すべてを一斉に特別徴収義務者として指定し、個人住民税の特別徴収が徹底されることとなりました。

これは、事業者側で特別徴収の実施が困難であった場合や、普通徴収との選択制と認識されていたということもあり、市町村側でも、事実上は事業者側の選択によって徴収方法が変わってくるため、徴収の安定が確保できないという状況を踏まえたものとなっております。
したがって、この取り組みにより、基本的に全事業者様が特別徴収のうえ、納付することとなります。
 この取組みについて、広く住民の方々に知っていただくため、平成27年9月18日に大阪府と府内市町村とで「オール大阪共同アピール」が採択されました。

○ 特別徴収とは?
地方税や社会保険料を、本来の納税義務者である個人から直接徴収し納付させるのではなく、当該納税義務者が得る給与や公的年金を支払う事業者(特別徴収義務者)が税金等を代わって預かりその徴収すべき税金等を納入させることをいう(地方税法1条1項9号)。
この制度が適用される税金等については特別徴収による納入が原則となっております。
なお、年の中途で退職する等により特別徴収できない場合は普通徴収(直接本人が納めること)により納入されておりました。

*特別徴収によるメリットは?
従業員側 一回の納税負担が少なくなる。 納税忘れがなくなる。
市町村側 税収の安定化が図れる。 事務負担の軽減など。


*特別徴収適用対象税目は?
個人住民税(給与所得・配当所得・利子所得・株式譲渡所得・退職金所得などから徴収)
介護保険料
国民健康保険料(税)
後期高齢者医療保険料
ゴルフ場利用税
入湯税

○実施スケジュール
平成27~29年  一斉指定に向けた準備・周知活動
平成29年冬頃   事業主への指定予告通知の送付
平成30年5月   一斉指定実施 特別徴収税額決定通知書の送付
                    (特別徴収義務者に指定)

参考:大阪市HP 
http://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000097841.html

年末調整の時期を控え、生命保険会社から生命保険料の控除証明書が届いているかと思います。年末調整や確定申告に必要となることは先日書いた通りなのですが、今回の更新ではそのうちの生命保険料控除の控除額について、金融庁からその拡充を求める改正要望が出されたのでご案内します。


1.現行の生命保険料控除額は、下記の①~③で、合計の上限額は12万円です。
①一般の生命保険・・・ 4万円
②介護医療保険 ・・・ 4万円
③個人年金保険 ・・・ 4万円

※①と③については、平成23年12月31日以前の契約については、上限がそれぞれ5万円 となりますが、①~③の合計の上限は14万円ではなく12万円となります。


2.要望内容
①~③についてそれぞれ5万円を上限とし、合計の上限額も15万円とする要望内容になっています。

グラフにすると下記のようになります。
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こちらについては、改正要望→税制大綱→税制改正となりますので、少なくとも来年以降の改正になるかと思います。

マイナンバー通知カードの発送事務が始まり、マイナンバー制度への注目が高くなっています。しかしもうすぐで年末調整の保険料控除証明書の発送も始まりますので、捨てずに保管し、会社に提出しましょう。

 例年、サラリーマンの方などの給与所得者については、年末調整の際に、自分が加入している生命保険料控除証明書などを捨てずに保管し、会社に提出しているかと思います。
 この保険料控除証明書等をうっかり紛失したりしますと、各発行者に対して再発行の依頼することになります。年末調整までに間に合わないときは、確定申告が必要となる等の手間が増えてしまいます。
 もしも、提出ができなかった場合は、所得税控除のメリットを受けることができず、思わぬ損をすることとなりますので、うっかり捨てずに保管しておき、会社に提出するようにしましょう。
 また、住民税についても同じような控除を受けることができるため、該当する方は必ず提出するようにしましょう。


1.そもそも保険料控除証明書ってなに?  
 保険料控除証明書とは生命保険料などを払っている場合、所得税控除を受けるために、その支払いを証明する証明書のことです。年末調整や確定申告の際、会社や税務署に提出します。


2.年末調整って?
 雇用者が給与所得者について、毎月の給与やボーナスから天引きした源泉所得税の1年間の合計額と、年収に対する所得税の年税額の不一致を清算する手続きです。

 年末調整の時期は、その年の最後の給与等を払う月から、その月の翌月10日までで、基本的には翌年1月10日までです。

 また、年末調整においては、雑損控除・医療費控除・寄付金控除・配当控除・外国税額控除などは、受けることができないため、確定申告が必要となります。
しかし、これらを受ける必要がない人は、この年末調整だけでその年の一年分の所得税を確定させることができます。



3.主な保険料控除証明書の発送時期は?
①国民年金             11月上旬から
③生命保険             10月中旬から
④介護医療保険           10月中旬から
⑤個人年金保険           10月中旬から
⑥地震保険             9月下旬から
⑦小規模企業共済          11月中旬から
⑧住宅ローン残高証明書       10月下旬から
*国民健康保険については、ご自分で1月~12月に支払った領収書を集計するか、市役所へお問い合わせください。

「賛成」「反対」いろんな意見があるマイナンバー制度ですが、今日から通知カードの発送が始まります。
各市町村から簡易書留で送付されるようなので、いつ届くか気がかりな方もおられるのではないでしょうか。以下のサイトから各市町村の発送状況が確認できるようですので、参考にしてみてください。

https://www.kojinbango-card.go.jp/cgi-bin/tsuchicard/jokyo.cgi 

 制度に賛成でも反対でも法案は成立して、既に住民票がある人全員に各個人番号が振りあてられています。大切な個人情報となりますので、紛失にはくれぐれも注意してください。


 今年の1月から相続税の基礎控除額が引き下げられ、相続税の申告をしなければならない人が4%程度から6%へ増えるのではないかとも言われています。
 そこで今回の更新では、相続税の計算にあたり重要となってくるであろう路線価について平成27年分が7月に国税庁より発表されましたので、こちらの内容をまとめてみようと思います。


1. 路線価って何??

 そもそも路線価とは、相続税や贈与税を計算するために、国税庁が定めた1平方メートルあたりの土地の評価額で、不動産用語辞典によると次のように書かれています。

〝 国税庁が公共価格などを参考にして評定する、市街地の道路に沿った宅地の1平米あたりの評価額を「路線価」といいます。
 宅地に接する道路に対して正面、側方、二方と分け、それぞれに設定する額を示します。
 相続税、贈与税、地価税においては、この路線価が評価基準となります。
 この路線価は、毎年1月1日を評価時点として評価、毎年8月頃に一般公開され、全国の税務署や国税庁のホームページで閲覧できます。〝


2. 今年の傾向は!?

 全国平均は前年比-0.4%と7年連続で下落となりましたが、下げ幅は前年より0.3ポイント縮小し下げ止まりの傾向にあるようです。都道府県別の平均では、宮城県と愛知県が三年連続の上昇、また、福島県・東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・大阪府の6都府県が二年連続の上昇、京都府と沖縄県が上昇へと転じました。
 都道府県庁所在地の最高路線価の上昇率上位は下の表のとおりで、東京オリンピックを控えた東京が価格、上昇率ともトップとなっています。2位は名古屋で、リニア中央新幹線の開業に向けての再開発が進んでいることが原因のようです。3位の広島はオフィス需要の増加を背景としている様子。大阪駅前の再開発が続いている阪急百貨店本店前が続いています。6位の金沢は北陸新幹線の開業が影響していると思われます。

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3. 大阪国税局管轄の動向は!?

 大阪国税局管内(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県)の税務署ごとの最高路線価について見てみますと、大阪・神戸・京都の都市地域と山間部や紀伊半島の南部などの過疎地域との差が拡大していく二極化の傾向となっています。各府県の動向は以下の通りとなっています。
① 大阪府
大阪駅周辺を管轄している北・大淀両税務署とあべのハルカス周辺を管轄している天王寺・阿倍野両税務署の最高路線価が10%超上昇しているのをはじめ、その他でも上昇及び横ばい傾向となっています。
② 京都府
東山税務署の最高路線価で7.3%上昇しているのをはじめ、下京・中京・左京の各税務署で5%台の上昇のほか、その他でも上昇及び横ばい傾向となっています。
③ 兵庫県
芦屋税務署で5.2%上昇しているのをはじめ、神戸・姫路・西宮・三木の各税務署で3%台の上昇となっています。一方で山間部を管轄する柏原税務署や和田山税務署、県西部を管轄する龍野税務署や相生税務署が下落傾向と二極化がみられます。
④ 滋賀県
大津税務署や草津税務署は4%台の上昇ですが、県南部の山間部を管轄する水口税務署では1.6%、湖西北部を管轄する今津税務署では5.3%の下落となっています。
⑤ 奈良県
奈良・葛城・桜井の各税務署では横ばいですが、吉野税務署が2.0%の下落となっています。
⑥ 和歌山県
和歌山・粉河・湯浅の各税務署では横ばいですが、それ以外の海南・御坊・田辺・新宮の各税務署では下落となっています。


 大阪国税局管内の詳しい路線価はこちらをご参照ください。  
http://www.nta.go.jp/osaka/kohyo/press/hodo/h27/rosenka/beppyo.htm

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